胃がんについて

2019年6月30日に尾三医学会において過去10年に当院で発見された胃がんについて報告を行いましたので、一部抜粋した発表スライドをYou tubeにアップロードします。近年、胃がんは早期発見、早期治療が行われることが多くなりました。その甲斐あってか、1990年代まではがんのなかで死亡原因第1位であった胃がんは、2000年代には男性で第2位、女性で第4位となっています。(最新の統計では死亡原因第1位は、男性では肺がん、女性では大腸がんです。)

一方で、胃がんになる人の数(罹患数)は、最新の統計でも依然、男性で第1位(女性で第4位、男女計で第2位)とまだまだ多い病気です。

胃がんの主な原因はピロリ菌と言われており、若者のピロリ菌感染率の低下や、2013年以降に広く行われるようになったピロリ除菌治療の成果もあってか、2020年には胃がん罹患数は男性でも2位に転落することが予想されています。当院において過去10年に発見された胃がんを前半と後半にわけて比較検討しました。胃がん発見率は低下しておらず、発見される胃がんの多くは早期がんで、その多くは内視鏡治療で治癒が可能なものでした。後半5年ではピロリ除菌治療後の人の比率が増えていました。胃がんは、今後減ってくるものとは思いますが、まだまだ多い病気です。まずは胃カメラ検査を一度行い、ピロリ感染の有無を知りましょう!ピロリ菌がいれば除菌治療を受けましょう!ピロリ除菌治療後は、除菌判定を、そして定期的な胃カメラ検査を受けましょう!早期発見できれば胃がんは全然怖くはありません。